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モーツアルテウムの入学試験は 2月ごろからはじまって さまざまな学部で試験日がことなっていても それでも 一応6月末ごろには ほとんどの入学試験が終わるのですが 夏の講習会でザルツブルグにやってきて その人がものすごく才能があって 教授がぜひ教えたい、 本人も残って勉強したいと思うようなとき、その居残らせたい人のために 9月末にもう一度追試のような形で 小さな入試が行われています。
こういうやり方は もう数十年もつづいているやり方で インターネットとかには 公表されていないと思うのでよほど教授から気に入られるような人でもないかぎり 9月に入試があることを知らされないですごしてしまうものです。 これは とってもオーストリア的な 融通性と見てよいと思います。 なにがなんでも 規則に縛られているわけではありませんから。 さて とにかく 正規であれ 追試であれ 合格したとしましょう。 ところが 最近 困った問題が出てきています。 カリキュラムの登録などは すべて コンピューターを使います。 登録時には 名前や出生地の住所などこと細かく書き込むようになっています。 そこで誰もが 日本での大学を卒業していれば そういうことも書き込んでしまいます。 その大学 どこの県にあるの?というような小さな小さな大学の しかも私立で XX女子短期大学のXX学部のXX学科の音楽専攻のようなところでも コンピューターは どの大学も同じ価値にあつかってしまいます。コンピューターは レベルを判断できませんしね。 それで 大学側は 日本での成績表を提出するように催促してくるので 学生は躊躇せず提出します。 たしかに 本人にとっては授業の内容によってはもう日本で習っていて その単位を修得するのは時間の無駄だとしかおもえないものもあるでしょう。 だから本人にとっても 日本で勉強してきた単位の中には 免除して欲しいものもあるわけです。 しかし ピアノの実技のようなものには 終わりがないので4年間日本で習ったからといって もうそれ以上の発展性がないわけではありません。ましてや 日本人でない先生に習ってみたいと そういう思いで留学し ピアノの実技だけでも数年受けて たとえ卒業できなくっても それで満足という学生すらいるわけです。 しかし 日本の大学のピアノ専攻で卒業した学生は 日本で数単位のピアノのレッスンを受けていることが書かれているので その単位が計算されて 結局モーツアルテウムではピアノの授業は受けることができなくなってしまうパターンが 目に見えて増えています。 裏を返せば 日本の大学のレベルが高いとみなされている結果でもあります。 せっかく留学しにきて 専門のピアノのレッスンを楽しみに頑張ろうって思っている留学生に よりにもよって ピアノの実技のレッスンは受講できないと言われてしまうのです。 結局日本では存在しないような理論の授業のみを受講させられるはめになり その単位がとれれば卒業させられてしまう、という状況なのです。 そして 卒業リサイタルのような最終のディプロマ試験は 自力で舞台にでていかねばならない。そんなことが一人でできるほどまでには 日本の普通の音楽大学卒業生は 自立能力を身につけていないと思える。。 これは 学生だけではなく 教師の立場にとっても ありがたくないことで 困った問題です。 それでは 留学は日本の大学を出てからでは 遅いのか? そもそも 今から30年ほど前に 日本の高校を卒業する年齢で留学する人たちが増えてきて あまりにひとりだちできていない子供ゆえ 音楽以前に 海外で生活するという難問を抱えてしまう学生もいました。 その後 もっと早い年齢で留学するため 母親付で留学するパターンが増えてきた。パパ様は せっせと仕送りをし、 ママさまと ご子弟さまは ザルツで頑張る。 そうでもしなきゃ 世界一の演奏家になれないとの考えが根底にある・・・・・・・・。 若いときから国際コンクールに挑戦して 15歳ぐらいで もう名を世に出さなければ 出世できないんだ、という考え。 スポーツの世界だって 国際試合で勝つためには 国際色に慣れる特訓もしているそうだし オジケナイで参戦するには 若いうちに体験させることも大事なときもあると思う。 しかししかし 早くに名を世に出して 有名になって 引っ張りだこのコンサート活動をしたとして 芸術性が高まるわけではない。 演奏家が商品化されれば あるレベルでとまってしまう。 天才といえる人物には 教育なんていらない。日本で教育をうけようが、 海外で教育されても いずれにせよ 周りのものは天才に手をつけるべきではない。 そっとしておくのが一番よい。 たとえ天才でもその才能が開花するには一生かかるほどの時間がかかる。 天才には自分で脱皮する能力やら勘がある。 そして 天才でなければ 今の世の中 芸術で生き残るのは至難の業にちがいない。 いつどこでどういう教育を受ければよいか 凡人にとっては 決断が難しい「超・難・題」にちがいない。
by hiroko-miki
| 2015-10-25 20:42
| 大學
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