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あっと気づけば 1月ももうあと数日ですね。 モーツアルテウムの別のクラスの生徒さんから ブログ更新してくださいッ!!、って催促がありました。 いろんな方が読んでくださっていて 嬉しいような おっかないような。。。。。。。
さて 1月27日は モーツァルトさんの258回目のお誕生日です 毎年この誕生日の前後に催されるモーツァルト週間の音楽祭は 必ず大学の学期末とかさなって <お お い そ が し !>の時期なので チケットを買うことは最初からあきらめています。 ところが 同僚から 金、土、日曜日の3日連続して行われるコンサートの (本番は朝11時開演のコンサート)のリハーサルが それぞれの前夜にあると教えていただき リハーサルと本番を組み合わせることによって 3日間で聞ける全曲を 聞くことができました。 プログラムは モーツァルトの1784年とタイトルして KV449からKV459の11曲を3日に分けて演奏するというもの。 KV449, 450, 451 はどれもピアノ協奏曲です これが一日目 KV 452 は ピアノとオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットとの5重奏 453は ピアノ協奏曲 454は ピアノとヴァイオリンのソナタ 455は ピアノの独奏曲で変奏曲 456は ピアノ協奏曲 これらが 2日目 そして最終日は 457は ピアノの独奏曲で ソナタ 458は 弦楽四重奏 2つのヴァイオリンとヴィオラとチェロ 459は ピアノ協奏曲 でした。 ピアノと指揮は アンドラシュ・シフ オケは CAPPELLA ANDREA BARCA という名前のオケです。 シフが1999年から2005年のモーツァルトピアノ協奏曲全曲演奏をする際に集まった、お仲間たちですが この方々は皆さんソリストとして活躍している方々で 普段はどこのオケにも団員として属しておられない人々だとのこと。 世界中に散らばって 個々が活躍なさっている。 まず リハーサルでは 皆さん普段着ですので どの団員さんもおなかまわりのお肉が メタボだな~って思う体型で・・・ どう考えても 全員60歳以上。 本番ではスーツなり 黒のロングドレスですから ずっとスマートに見えましたよ。 日本ではシニアといわれる世代だと思う。このかたがたが 満面の笑みで舞台に腰掛けている さて 会場はモーツアルテウム大学の大ホールでしたが 使用されたピアノは シフが持ち込んだ彼のピアノで ベヒシュタインでした。 ベルリンで この掘り出し物を見つけたそうです。 1921年製造で このピアノで ウイルヘルム バックハウスもたくさんのレコーディングをしたり 演奏会で弾いたとのこと。 ペダルは2本です。 どの音域もとても平均した音を持っているようで しかも タッチが軽いようです。 弱音に格別な美しさがあり 変化にとんでいました。 とても良く音が伸びます 普段は大学には スタインウエーと ベーゼンドルファーが設置されているので ベヒシュタインの響きは 面白かった。 いろいろ書きたいことはあるのですが・・・・・ はじめは まずこれらの数曲を 3日間集中して演奏できる体力などの能力はすごかろうと思ったし、 エネルギーの配分に興味がありました。 同じプログラムを3回弾くのと違って 毎日変わるわけですから それは大変なエネルギーのはずです。 しかも シフはソロも室内楽も ピアノ協奏曲もなにもかも 一人でやってのけるのですから それだけでも驚異的。 そばにいた同僚が 自分の演奏にだけ日々集中していればよいのだから 出来て当然 という意見を言っていました。 (この方 負け惜しみつよそう~) たしかにわれわれ凡人は まず そしてたえず 人様の世話をして 残った時間で自分の練習の時間を見出すわけです。 しかし年とともに自分の時間が取れないばかりか そのわずかな時間も疲れ切っている。 自分が優先されることは決してない。 愚痴っぽいな~ 天才には 神様がその人のお世話係をちゃんと回りにつけてくれているのですね。 今でも思い出すのが シフが結婚したてのころ 彼は手ぶらで町を歩き まるで脱力の練習をしているような歩き方をしていました。しかしそのそばで いろんな荷物をもってシフの早足に追いついていくのが精一杯かのように見受ける歩き方をしていたのが 奥さんでした。 女性のほうが荷物を持つなんて とても珍しい光景でしたから 良く覚えています。 奥様は小柄な日本人でいらっしゃるから 目につくのは当然でした。 (そういえば ポリーニも楽譜すら自分で持っていなかったし。。。。。。リヒテルは 楽譜を抱えていたな~) しかし この奥様の内助の功があるからこそ シフはここまで成長、発展できたと確信します。音楽家という普通では考えられない発想も感情ももっている人種のお世話は 普通の人では勤まらない。シフの奥様はヴァイオリニストであり 今回もKV454のソロとすべての曲の第一ヴァイオリンを弾いておられる。 DUOのとき シフは彼女を隅々から支えるように愛の手が差し伸べられていた。演奏上はもちろんシフが支えているわけだが おうちでは結構 カカア殿下 なのかもしれない、とおみうけした。 今から40年も前の話だが 野村光一氏が このヴァイオリニストを聞きなさい、とわたしを演奏会に連れて行ってくださった。 いまはすっかり白髪のご婦人になっておられますが 天才が天才をひきつけた。類は類をよぶ。 話がそれました。 シフの演奏は そういう時代から 数年に一回のわりで 何度か聞いています。時にはこの人は 何にも考えないで弾いているのではないかと思ったこともあります。ポケーとしている音に聞こえたこともあります 音色を変えたりする弾き方は していなかったでした。 でも 今回はピアノが弾きやすいからか いつもとは違った。 目指す音楽がくっきり表現されている。 もちろん 集中しているときと 集中力をセーブしているときとあったし たえず集中しながら弾くのではないようだ。集中しているときは素晴らしかったし のっていないときは いまいちでもあった。 それが交錯する。 休憩時間にオペラ科の指揮をしていた教授とお話できたのですが [素晴らしいですね、]と私が言うと その教授はご年配なのですが [こうなるには時間がかかる]、とおっしゃった。何年ものつみかさねた練習と経験と それに周りの理解と協力と 何もかもに時間がかかる。 このオケとも 深い信頼関係の上で しかも15年は一緒に仕事をしているパートナー。何も語らずして 視線だけで意思が通じる お 仲 間 た ち なのだ。 そして 彼らはシフの目指す音楽をよく理解し、その音楽の一面を担うがために 溶け合う音を発音する。 団員全員のエゴのない、協調と美しい音楽のためにだけ そこに生きている心は 涙が出てくるほど美しい。 また脱線してしまうのですが・・・・ 特にKV458の弦楽四重奏を聴いているとき その出てくる調和された音楽の素晴らしさに こういう音楽を日本の皆様にもお聴かせしたい、と思った。 それは ザルツブルグだからこそ聴ける音楽。 日本では有名な演奏家は訪日するけれど 音楽の質の上での優れた方が演奏に招待されているわけではない。 特に2楽章では 《まさに 心が洗われる音楽》 であった。 こういう音楽をききながら おいしいケーキとコーヒー 最高の極楽だろうな~。 生クリーム以上に滑らかな音、 まろやかなきめ細かい響き 音楽を聞きながらよだれが出てくる。 実際演奏を聞きながら お茶していたであろう昔の王様は 音楽を聞くたびに心を洗っていたかも・・・・。 和と輪。 整治のヒントも浮かんだことでしよう。 今 新聞に毎日のように書きたてられている 日本と周りの諸国との 尋常ではない空気を何とかするには とにかくどこの国の政治家も まず 音楽を聞く心の そして 耳のゆとりを用意していただきたいな。。。。。。 シフがこのように成長するのに 60年 しかも音楽だけに人生をかかげている天才で これだけの時間がかかる。 われわれ人間は (たとえ天才でも) 神様ではない。 長い年月がかかるのが 当然です。 時に モーツァルトがシフにのり移ったかのような演奏。のり移ったら もう 絶賛される演奏だ。 心が笑い出す。嬉しいの一言。 そう、 演奏家たちはこの音楽に浸れるから 幸せだから 疲れはしないのだと思いました。 シフは舞台上で完全に脱力できるまでステージをふんでいる。 筋肉の緊張はほとんどない。 曲の解釈は何年も熟考されているから これも舞台では変更の必要もない。 アンプの怖さとかも 心配御無用なほど 弾きこまれている。 それでも早朝はまだ身体がねむっていたからか 昔の癖がでていたので ソナタでは不満足そうな顔つきだった。 しかし その不満足時にどうステージ上で調整していくのか 私には興味津々 興味津々 彼は音楽に耳を傾けることにのみエネルギーを使っている。 それも素晴らしい音楽にだけ 耳を傾ける。 その耳が モーツアルトのインスピレーションと合体するほど研ぎ澄まされたとき シフは満足し 聴衆は恍惚状態になる 素晴らしい音楽に浸っている時間が より元気に より健康にさせる 幸せすぎる演奏会だった リフレッシュして ピアノに向かう
by hiroko-miki
| 2014-01-28 02:07
| 音楽会
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