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下の写真は ザルツブルグ郊外にあるホールの外見です。ここで 昨晩A君の通っているギムナジウムのコンサートがありました。A君については 以前2010年6月6日 および 2010年6月27日に記載したことがあります。彼もいよいよ このギムナジウムの最終学年生になりました。このコンサートの後には Matura-Abitur のギムナジウム卒業、大学入学資格試験の受験がまっている学年です。このギムナジウムで音楽を選択している生徒たちによる合唱をメインにしたプログラムでした。 前半は混声、男声、女声のクラシックのみならず モダンな楽しい選曲もまざったプログラムでした。ときどき笑いがこみ上げてくるほど愉快な演奏でしたよ。
平均すると18歳の彼らは 今後兵役の義務をするもの、仕事につくもの、進学するものと道はさまざまに別れていくわけですが 50年後の彼らが 昨晩の事を懐かしくおもい、笑って語り合えるような平和な人生をずっと送って欲しいと とても強く願いながら聞き入りました。どんなことがあっても話し合いで解決し、決して戦争になってはいけないと・・・それは年配者の義務だと思いました。演奏からの感動は どれだけ時間をついやして練習に励んだんだろう、という努力とか どれだけ助け合って演奏会を成功に導こうと協力し合っているかという様子や どれだけ互いに褒めあっているかという信頼性など・・・素晴らしい原点に充満していました。 そして 後半は このA君が作曲した“11311”というタイトルの『合唱と打楽器とピアノのための作品』が初演されました。 演奏時間は45分ほどだと思うのですが あっという間に感じました。 3楽章の形式です。 2011年3月11日のあの災害に心から動揺したA君は あの時TVで見た画像などから 災害の恐ろしさや死への恐怖と生への不安を音楽で表現したいと語っていました。死とは?生とは?突然あのような災害が自分の身におこったらどうすればよいのか?そういう疑問との葛藤に 言葉では言い尽くせない感情を音で表現するため 夏休み中ずーっと作曲に専念していました。出来上がった曲は大曲で、 そして昨晩本当に上演されたのです。 私の印象では 第1楽章は災害の起こったその瞬間をリアルに再現しようとしているようでした。第2楽章は死に向かう恐怖、不安をきわめて残忍に表現し、第3楽章は生への喘ぎと錯乱とそしてまた 未知をも表出しているように感じました。 打楽器が心拍や心情を表現し、ピアノは合唱への音とりの助けに多く使われ 時にサイレンの実際の録音までをも状況描写にうまく利用したりしていました。 日本でおこった災害がきっかけで作曲されていますが 日本的な和声とか雅楽の響きだとかは一切使用されていません。唯一 最後の最後の小節で 日本の除夜の鐘のような一回きりの単一な鐘の音がゴーンと打たれ それが静まるまで静かに待って 終曲となるように構成されていました。 音楽というものは 楽しいというだけではなく 時には《考えさせる力》、《考えを変えさせる力》をも持ちます。そして若者とはいえ発言、説得力、才能に驚かされもします。全身全霊をこめた熱演に敬服の念もこめて 満場の会場から惜しみない拍手がなり続きました。 とかく現代曲、現代音楽となると やかましいとかガシャガシャしているとか 突拍子も無い音の連続であったりして 意味の無い音楽が多い中 A君は (わずか17歳での作品ですが) 大変まじめに真摯に 意味の深い表現力のある曲を作曲しました。 絶賛します。 曲の細部までよーく考えられて作られていました。そして動機があの東北大震災と福島ゆえに 日本の皆様にも是非お知らせしたく思いました。 私にしてみれば はじめてA君がレッスンにやってきたのは 背丈がまだ私のバストにも届かないころでした。今は立って話をすると私の首が疲れるほど上をむかなければならないくらい大きくなっているのですが どうしても昔のかわいい姿と重なってしまいます。 でも背丈だけではなく音楽家としての順調な成長ぶりに 心から喜ばざるを得ません。 、
by hiroko-miki
| 2012-03-03 23:55
| 音楽会
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