ヨーロッパピアノ教育連盟の総会がこの週末ザルツブルグで開かれました。
テーマは「障害者と天分」で 特別な要望によるところの「ピアノ教育についての経験」が語られました。障害者には視覚障害、聴覚障害、知的障害、発達障害などありますが その人たちへの<音楽教育>と音楽による<教育>です。目の不自由な方への点字楽譜の入手先などの実用的なインフォーメーションも話されました。
実は私の父は普通の楽譜から点字楽譜への転換ソフトを考案、発明しました。父は大学教授でした。彼の名刺には機械工学、計算工学の工学博士と書かれていました。入学試験などにおいての製図で、目の不自由な学生さんとの作業がスムースにいかないという事がきっかけで 必要に迫られて 図面を点字に置き換えるソフトを考案したと話していた事があります。
今から40年ほど前だったと思います。当時はコンピューターという機械はまだ誕生するかしないかの時代でコンピューターという言葉も耳慣れない単語でした。あるとき、私は「普通の楽譜から点字の楽譜への交換も必要だ」と父に話した事がありますが その後完成しているわけです。父は8年前に他界しましたが 亡くなる直前まで懇切丁寧にお問い合わせに返事を書いておりました。勿論特許はとらず、当たり前のことですが、すべて無料奉仕の上に切手代も請求せずにお助けしていた父の姿を懐かしく思い出しました。現在では世界中で役立っている事を嬉しく思います。